田舎の広い家あるある~荷物編~
〇田舎の家は荷物が多い!!
私が空き家事業をやっていた滋賀県には、広大な田んぼ地帯が広がっていて、昔ながらの広い民家もたくさん残っています。
空き家のお仕事をしていると、大きな民家の所有者からも相談が入ります。
所有者と言っても、長年住んでいた方ではなく、相続人である息子さん、娘さんです。
多くの息子さん娘さんは、大学生のころまでは実家に住んでいたものの、その後数十年間、離れた場所で住んでいるので、実家のことはあまりよく分かっていません。
「母が5年前に亡くなったまま空き家になっているので相談に乗ってほしい」
という相談が入ると、まずは所有者の方のお話しを聞いた後、家の中を見させてもらいます。
よく、テレビで『田舎の空き家』を紹介されていますよね。
普通は、田舎の空き家と言えば、テレビで紹介されている空き家を想像されると思います。
趣のある庭、立派な梁(はり)のある吹き抜けの天井、凛とした雰囲気のある蔵、囲炉裏のある広々とした和室。
しかし、実際に相談が入る空き家はそんなに甘くはございません。
ほとんどの空き家は、荷物がそのままです。
生活感がそのまま残っています。
中に入ると、薄暗くて、埃っぽくて、背筋がゾクっとする空き家がたくさん見てきました。
そして、どこの家もとにかく荷物が多い!
空き家の中の荷物をチェックしていくと、いろんなものが残っています。
20年くらい漬け込まれたであろう梅干し、
賞味期限が15年前の醤油、
昭和中期ごろのあまり価値のない大きなタンスたちが十数本
いったい何人同時に泊まるんだと思うくらいの大量の布団
蔵の奥の方に詰め込まれた、大量のお中元やお歳暮
荷物処分の見積りを取ってみると、当たり前のように100万円以上の見積り額になってしまいます。
〇『荷物量=家の大きさ』になっていませんか?
荷物って不思議なもので、なぜか
荷物の量=住む人の数 ではなく、
荷物の量=家の大きさ になってしまいます。
2人しか住んでいないのに、家が広いとその家のスペースに合わせた荷物量になってしまいます。
だから広い家には荷物が多い。
荷物は油断していると増える一方です。だから、「増えたら捨てる」を繰り返さないいけません。
しかし、家が広いは置いておく場所があるので、使わないものはとりあえず空いているスペースに押し込まれます。そして、知らないうちに手が付けられないくらいの荷物量になってしまうのです。
荷物量がある一定の量を超えてしまうと、人は整理することを諦めてしまいます。
見て見ぬふりを続けているうちに歳を取り、そのまま荷物だらけの空き家になってしまいます。
空き家になると、荷物を処分するのは子ども達の役目になります。
しかし、亡くなった親の家にはどんなものが残されているのか分かりません。
大切なものが残されているかもしれないと思ってひとつずつ確認しようとするも、大量の荷物のせいでなかなか整理がはかどりません。
さらに、思い出の品や「捨てたら親が悲しむかな」と思ってしまう品が出てきたら、作業がストップしてしまいます。
そうこう言っている間に時が経ち、ずるずると放置されていくのです。
〇荷物だらけの空き家にしない方法
こんな、荷物だらけの空き家にしないためにも、広い家に住んでいる人は、次のことを心がけてほしいと思います。
①「一つ増やしたら一つ減らす」を心がける
②増えすぎた荷物は定期的に減らす
③「使えるもの」ではなく、「使うもの」だけを残す。
それでもどうしても処分できない性格であれば
④子どものために処分費を残す。
「ああ、荷物が多いなぁ」と感じている方、もし荷物の量が
『家の大きさ=荷物量』になっていたら、少し危機感を感じた方が良いかもしれません!
『住んでいる人数=荷物量』を目指して、整理整頓を頑張りましょう!